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特許業務法人
小野国際特許事務所メールニュース
2008年5月号
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海外における地名の商標登録問題について
中国と台湾で、日本の38都道府県の名前が、現地の企業や個人などによって商標登録
出願されたり、既に登録済みということが最近話題になっていますが、そもそも地名は
商標登録されうるものなのでしょうか。
日本の商標法では、商品の産地や販売地等の地理的名称のみからなる商標は、
「識別性」(自他の商品を区別する商標本来の機能)がないとされて、登録できません。
では実際に産地・販売地でなければよいかというと、「沖縄=泡盛」「夕張=メロン」
のように産地として一般に良く知られていなくても、その土地において生産・販売されて
いるだろうと認識されれば識別性なし、とされます。たとえば、著名な地名であれば、
その土地で生産あるいは販売されているものだろうと認識される可能性が高くなるので、
ほぼ登録は認められません。
では、著名でもなんでもないマイナーな地名はどうでしょうか。
この場合、需要者がその地名を「産地・販売地」と認識する特段の理由がなければ登録
される可能性があります。
そして、中国や台湾においても、商標の登録要件に関するほぼ同様の規定がありますから、
中国や台湾の人にとって著名でもなんでもないわが国の県名が商標として登録され得るのです。
登録要件を満たしていれば、異議申立てをしてもその登録を取り消すことは困難となります。
実際に、台湾で登録された「さぬき」についても、登録されたのが9年前であるため、
当時から「さぬき」が地名として周知であることを立証しなければ登録を無効にすることは
できず、対応を難しくしています。
日本では著名な地名ということで商標登録が認められなくても、海外となると事情が
異なります。県などの自治体は、各国における出願状況を確認する必要がありますが、
同様の事態を防ぐためには当該国における県名の商標登録も検討する必要がありそうです。
なお、わが国の話に戻りますと、マイナーな地名が合法的に商標登録されるとその地名は
使用できなくなるのか、という心配をもたれるかもしれませんが、産地・販売地などの表示
としてその地名を使用した場合には、商標権の効力が及ばないため問題にはなることは
ほとんどありません。
このトピックに関してご質問等がございましたら、弊所鶴目までお問い合わせ下さい。
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6月の行事: 6月 6日(金)13:00〜17:00 発明無料相談会
場所:発明協会沖縄県支部
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6月の滞在予定 6月2日(月)〜 6月 6日(金) 弁理士 小野 信夫
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