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特許業務法人
小野国際特許事務所メールニュース
2009年10月号
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特許権の存続期間の延長登録について
特許権の存続期間は出願日から20年であり、その間特許権者は特許発明を独占的に
実施できます。しかし、例えば医薬品の特許の場合、製造販売等を行うためには薬事法
上の承認が必要であり、そのための臨床試験や審査の間は実施することができず、特許
権の独占実施による利益を得ることができません。このため、医薬品の場合、承認を得
るために実施できなかった期間について、最大5年間特許権の存続期間の延長が認めら
れます(特許法第67条2項)。
薬事法では、既に承認を得た医薬品と有効成分および効能・効果が同一であっても、
例えば、これとは有効成分以外の成分が異なる医薬品の製造販売にあたっては、通常別
途承認が必要になります。一方、医薬の特許には、有効成分である化合物自体の物質特
許やその効能・効果に関する用途特許の他、ドラッグデリバリーシステムなど有効成分
以外の成分に関わる製剤特許などがあります。
従来、特許庁の実務や裁判例では、特許権の存続期間の延長登録は、承認によって特
定される有効成分および効能・効果ごとに認められると考えられていました。したがっ
て、例えば、既に物質特許や用途特許について延長登録がなされていた場合には、別途
製剤特許があってその実施に承認が必要であったとしても、有効成分および効能・効果
が同一である以上延長登録は認められませんでした。
しかし、平成21年5月29日知財高裁判決(平成20年(行ケ)10459号)で
は、既に延長登録が認められた特許と有効成分および効能・効果が同一である製剤特許
についても、その実施にあたり別途承認が必要であれば存続期間の延長登録が認められ
得ると判断されました。今後、製剤技術に関する発明がより重要になってくる可能性が
あると考えられます。
上記判例については下記リンクをご参照ください。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090529165007.pdf
このトピックに関してご質問等がございましたら、弊所井手までお問い合わせ下さい。
弁理士 井手浩い。
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11月の行事:11月20日(金)13:00〜16:00 発明無料相談会
場所:発明協会沖縄県支部
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11月の滞在予定 11月16日(月)〜11月20日(金) 弁理士 鶴目朋之
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