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特許業務法人
小野国際特許事務所メールニュース
2010年4月号
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遺伝子特許について
先月アメリカで、遺伝子特許の有効性について争われた裁判の判決がありました。
ガンの原因遺伝子の変異を調べることにより、ガンの発症リスクを評価することができる
とされています。被告となったMyriad社は、このような原因遺伝子に基づく乳ガンや
卵巣ガンの診断を行っている会社ですが、Myriad社は、乳ガンや卵巣ガンの原因遺伝子で
あるBRCA1/2の特許を保有していたため、この診断ビジネスを独占しており、
また診断費用も1回3,000ドルと高額に設定していました。
乳ガンの患者や医師らは、遺伝子特許のせいで、高額な診断費用を受け入れざるを得ず、
また他の会社によるセカンドオピニオンを受けることもできないとして、Myriad社の有する
遺伝子特許の無効を求めたのです。
原告は、これらの遺伝子は人間の体内に存在する自然の産物であって、人間が発明した
ものではないから、特許の対象とはならないと主張しました。これに対し、被告のMyriad社は、
特許された遺伝子は、「単離」した遺伝子であって、体内にある遺伝子とは異なると反論
しましたが、裁判所はMyriad社の主張を斥け、これらの遺伝子特許を無効としました。
このように、遺伝子特許自体の有効性について疑問を呈したことから、アメリカでは注目を
集めているようです。
遺伝子特許に関しては、1999年の日・米・欧の3極特許庁により、機能や有用性が
特定されれば特許され得ることが合意され、これまで多数の遺伝子特許が成立しており、
遺伝子特許に基づくビジネスも拡大しています。しかし、遺伝子特許などのいわゆる
リサーチツール特許は、代替性が低いため、特許権者がライセンスを拒絶したり、高額なライセンス料を要求した場合には、研究開発が阻害されてしまうという問題も指摘されていました。
Myriad社は控訴する方針だそうですので、上級審による判断が待たれるところです。
このトピックに関してご質問等がございましたら、弊所井手までお問い合わせ下さい。
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5月の行事: 5月10日(木)13:00〜16:00 発明無料相談会
場所:発明協会沖縄県支部
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5月の滞在予定 5月10日(月)〜 5月14日(金) 弁理士 井出 浩
※弁理士が沖縄オフィスにいない場合でも、テレビ会議システムにて東京オフィス
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