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小野国際特許事務所メールニュース
2006年1月号
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商標の識別機能について 〜タコライスは登録商標?(2)〜
沖縄の皆さんこんにちは。弁理士の鶴目です。今回は前回に引き続き、商標の自他
商品等識別機能を取り上げてみたいと思います。
前回も取り上げた登録商標「タコライス」※1を見ると、商品パッケージの図柄を
そのまま商標として登録したものであることが分かります。従って、商標には「タコ
ライス」という名称だけでなく、実際にお皿に盛りつけた写真や、メーカーのロゴと
思われるサインなどが付されており、これら全体のデザインから識別性あり、と判断
されたものと考えられます。
かかる登録商標「タコライス」があるにもかかわらず、なぜ、皆さんが「タコライ
ス」という名称を使用できるのか、簡単に説明します。まず、商標法26条では、
「商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する商標」には、商標権の効力が及
ばない旨規定されています。この規定は公益上の理由などにより、普通名称の使用を
確保するために設けられているものです。ですから、使用商標が、商品の普通名称
「タコライス」を普通に用いられる方法で表示する商標である場合、登録商標の侵害
にはなりません。
更に、実際の侵害訴訟の場でも、普通名称とその他の識別力ある部分が組み合わ
さった商標に関しては、当該商標中の普通名称からなる文字部分は識別機能を有しま
せんから、かかる文字部分を除いた図形等の部分で類似か否かの判断をしたり、ある
いは、文字部分の態様の相違を考慮して判断されます(※2)。つまり、かなり大雑
把な言い方をすれば当該商標権の権利範囲は普通名称部分を除いた部分ということが
できます。
以上の制限にも関わらず、なぜ、商標「タコライス」が出願されたのかが問題です
が、仮に自社商品のパッケージと紛らわしい類似商品を排除する目的だったとしたら、
その出願も納得できます。すなわち、いくら「タコライス」が普通名称でその使用は
自由だといっても、その他の図形部分が登録商標と類似していれば、商標権侵害とな
りますから、「タコライス」という文字そのものに権利はなくとも、パッケージ全体
では商標法の保護を受けられるのです。
弁理士 鶴目朋之
※1 商標登録第4581331号、第4593306号
※2 「河内ワイン事件」「三輪素麺事件」
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緊急の場合はメールにてご連絡下さい。
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1月の滞在予定 1月16日(月)〜 20日(金) 弁理士 小野 信夫
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