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特許業務法人
小野国際特許事務所メールニュース
2011年 5月号
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商標の観念類似
商標では「類似」という考え方が非常に重要であり、自分が使用したい商標があっても、第三者が「類似」する商標をすでに登録している場合には、自分の商標について商標登録できないだけでなく、自らの商標を使用することにより第三者の商標権を侵害することにもなりかねません。
ところで、商標が類似しているかどうかを判断するため、一般的に、「称呼」「外観」「観念」という3つの要素において検討します。
「称呼」とは、商標から生じる読み方であり、「外観」とは、文字通り、商標の見た目のことです。
通常、上記の要素のうち、比較する商標の「称呼」が似ていると判断された場合、それらの商標は類似すると判断されるケースがほとんどです。
したがって、通常は称呼の類否が重視され、商標の観念類否が問題となるケースは少ないのですが、最近、観念の類似を理由に無効審決を維持する知財高裁の判決が出ましたので、紹介します。
引用商標は「遠山の金さん」という商標であり、これに対し、本件商標は「名奉行金さん」という商標でした。
知財高裁は、「本件商標と引用商標とは、外観、称呼において、その全体を一連に把握すると類似しない点があるものの、歴史上の人物である「遠山金四郎」、及び時代劇等で演じられる「名奉行として知られている遠山金四郎」との観念を生じる点において類似することから、商品の出所につき誤認混同のおそれを生じさせるというべきである。」と判断しています。
要するに、「遠山の金さん」と「名奉行金さん」は、商標全体で比較すると称呼・外観は似ていないが、観念は似ている、だから、両者は類似するということです。
裁判所の判断自体はこれで問題ないと思いますが、注意したいのは、特許庁の電子図書館の検索で、「キンサン」という称呼検索を行っても、引用商標「遠山の金さん」がヒットしないということです。そのため、最初は特許庁も両商標の類似を見逃し、本件商標を登録してしまったのだと思われます。
もちろん、商標調査では、称呼検索のみならずその他にも登録可能性を判断する様々なノウハウがありますが、称呼検索を重視するあまり、観念類似についての調査がおろそかになることもあります。したがって、その点は十分に注意が必要です。
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