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特許業務法人
小野国際特許事務所メールニュース
2012年10月号
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製法により記載された物の発明の効力
プロダクト・バイ・プロセス(Product by Process)クレームという言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。これは、天然物質や高分子化合物などその組成、構造等で表現することが難しい化合物(Product)などについて採用される手法の一つで、製造方法(Process)によってその化合物の発明を表現、特定するものです。
例えば、ある酵素について特許出願する場合、特許請求の範囲は、構成するタンパク質等により特定するのが一般的ですが、その酵素がどのようなタンパク質で構成されているのか分からない場合には、例えば「工程a1、工程a2及び工程a3により生産される酵素X」とい
うように、製造方法により発明を特定する、プロダクト・バイ・プロセス(P by P)クレームを利用することが許されております。
このP by Pクレームは、発明の対象である化合物の構成が不明でも特許出願できるので、出願人にとってはメリットがありますが、第三者にとっては、自分が作った化合物がその特許の範囲に含まれるのかどうか、わかりにくいという問題があります。
つまり、同じ方法で作った同じ化合物が、特許の範囲に含まれることは疑う余地はありませんが、別の方法で作った同じものや、天然物中から得た同じものはどうなるのか、不明確です。
最近の裁判例[平成22年(ネ)第10043号]では、この点について、発明の対象である物の特定が、P by Pクレームを使用しなければ「出願時において不可能又は困難である」場合(真正P by Pクレーム)と、そうでない場合(不真正P by Pクレーム)に分け、前者では
、得られたものが同一であれば、製法に関係なく特許侵害となり、後者では、製法が同一である場合に限り特許侵害となるとの見解を示しております。
P by Pクレームは、研究の早い時期に特許出願が可能と言うことで便利なものといえますが、権利解釈に問題もありますので、この点を十分に注意した上で利用することが必要です。
このトピックに関してご質問等がございましたら、弊所田村までお問い合わせ下さい。
メールアドレス:okinawa@ono-pat.co.jp
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場所:発明協会沖縄県支部
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11月の滞在予定11月5日(月)〜11月9日(金) 弁理士 井手 浩
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